南極・北極に関する研究は、自然科学だけのものと思っていませんか?
世界では、歴史学、心理学、文化人類学、政治学、法学など南極と北極に関する文系(人文・社会科学)研究も盛んに行われています。 この度、2つの世界的な人文・社会科学系シンポジウム(SCAR SC-HASS Biennial Conference と 14thPolarLaw Symposium)が神戸大学で開催されます。 その中から日本の皆様にも興味をもっていただける講演や研究発表を一般公開いたします。 ご登録の上、会場にお越しいただくことも、オンラインで視聴していただくことも可能です。 この機会にぜひ最先端の南極と北極の文系研究の世界をのぞいてみて下さい!
* 各講演会のバナーから、【公式ホームページ(英語)】をご覧いただけます。
このセッションについては、動画をYouTubeで公開することにしました「視聴」ボタンをクリックしていただきますと、ページが表示されます(YouTubeでの資料となります。)
本セッションでは、一見、自然科学研究ばかり行ってきたと思われがちな南極観測事業(JARE)が人文社会科学研究(文系研究)にどのように貢献してきたのか、そしてこれから貢献し得るのかを南極地域観測隊に参加経験のある3人の識者が議論します。
心理学者がご専門の村越真氏は、南極地域観測隊に参加された数少ない人文社会科学研究者の一人です。 南極での認知研究のご経験を題材に南極地域観測事業がどのように人文社会科学研究に寄与してきたのか、お話頂きます。
越冬隊を含む3度の南極観測隊に参加された中山由美氏は、60年を超える日本の南極観測の歴史を振り返ることを通じて、その自然科学以外の分野への貢献や南極人文社会科学の重要性について幅広い視点からお話頂きます。
生田依子氏は、教員派遣により第58次南極地域観測隊に参加され、その経験を日々の教育実践に活かしてこられました。 そのご経験を基に、教員派遣の教育的効果やそれをどのように効果的に活用できるのか、お話頂きます。
コーネリア・リューデッケ教授は、南極歴史学の草分け的研究者です。 今年、ドイツ南極観測活動の歴史をまとめた英語のモノグラフ『南極のドイツ人(Germans in the Antarctic)』(Springer)も刊行されました。 また教授は、ご自身の研究だけでなく南極人文社会科学の発展、とりわけ南極研究科学委員会(SCAR)の人文社会科学グループの創設にも尽力されてこられました。 この講演では、南極大陸の発見・探検の歴史と南極人文社会科学研究の歴史を対比しながらお話頂きます。 日本における南極人文社会科学研究のこれからを考える上で示唆深いものになること請け合いです。
シンポジウムのオープニングスライドショウとテーマソングのYouTube動画が公開されています。
右のイメージ写真をクリックしてご覧ください。
近年、海の酸性化が国際社会の課題となっています。本セッションでは、海洋酸性化問題に関する最新の科学的知見と、本問題に取り組むための国際的なガバナンスのあり方について健闘します。
極域の専門家は、この地球規模課題にどのように取り組もうとしているのでしょうか。
極域の自然科学者と国際法学者の2人が「極域におけるリーダーシップ」について議論します。
1991年、国連事実調査委員会は日本のアイヌ民族のもとを訪れました。 その際のメンバーの一人だったアルフレッドソン教授が当時の日本訪問の様子を振り返り、日本において、どのよう国際人権法がアイヌの人権に影響を与えてきたのかについて解説します。 そして、国際人権法学者・アイヌ民族研究家・文化人類学者らがアイヌと北極域の先住民族の権利の保護について議論します。
北極と南極の海の生態系と漁業は2つの条約で統治されています。 1980年「南極の海洋生物資源の保存に関する条約:CAMLR条約」と2018年「中央北極海における規制されていない公海漁業を防止するための協定」です。 どちらも壊れやすい極域の海の生態系の保護について取り組むための国際的に拘束力のある重要な条約ですが、重大なガバナンス上の課題に直面しています。
極域の海を守るためのこれらの条約について、豊富な外交交渉の経験を持つ2人の専門家が、この課題について議論し、将来の方向性についての考察を行います。
北極海航路の開発は、世界のビジネスにも変革をもたらします。
遠く離れた北極海航路と日本とのつながりは?そして、日本の産業界は北極域でのビジネスチャンスをどのように捉えているのでしょうか。
北極域開発において日本を代表する産業界の専門家から、特に液化天然ガス(LNG)開発についてご説明いただきます。
その後、北極域における持続可能な開発の取り組みや課題について、国際海洋法の専門家を交えてパネルディスカッションを行います。
本セッションでは、地球環境ガバナンスに関する2つの重要な国際会議、すなわち10月に中国で開催された生物多様性条約(CBD)COP15と、11月イギリスで開催される国連気候変動枠組条約(UNFCCC)のCOP26の直後に開催されます。 2人の国際環境法の専門家が、これらの会議における最新の議論について解説します。 第14回極域法国際シンポジウムのテーマでもある「瑠璃色の地球」のために、今後のガバナンスのあり方について極域法が語りかけるメッセージに耳を傾け、考えましょう。
感染症対策のため来場人数を制限させていただきます。
事前に人数を把握するため、参加登録フォームで参加形態(会場またはオンライン)をお知らせください。
会場での参加人数が多数になる場合には、来場をお断りする場合があります。
その場合には事務局から別途ご連絡をさせていただきます。